北極の葡萄園

呑んだワインをひたすら記録しています。

【2193】Domaine Arlaud "Roncevie" Bourgogne Rouge 2017

 
ドメーヌ・アルロー ブルゴーニュ "ロンスヴィ" 2017
 
このワインは、ドメーヌ・アルローという全くご縁が無かった作り手の平格ブルゴーニュ赤。ウェブサイトによれば、ここは元々ジュヴレ・シャンベルタンだったけれども格落ちして名乗れなくなったんだとか(確かに畑の所在地をみると村名クラスの畑に完全包囲されている)。そして収量を厳しくすることで濃度の高いワインが味わえるとも。こういう能書きって実際どうなんでしょうね。まずは、飲んでみましょう。
 
まず見た目。かなり暗く、ブルゴーニュ赤としては青紫色っぽいかもしれない。香りは、抜栓した瞬間にかぐわしい葡萄酒フレーバーが広がる。この時点で期待がふくらむ。グラスに鼻をつっこんで香りを確かめると、ブルゴーニュ赤としては梅系の香りが強く、森の切り株系のオーガニックな香りとローソク風味が強い。なんだか鼻息の荒い雰囲気だぞ。
 
口をつけてみると、コーヒー牛乳のような、コーヒーやカフェオレよりさらに柔らかく、甘くてふんわりとした第一印象が。もちろんこれは比喩というか、ブルゴーニュ赤のなかではそういう方向性って話で、葡萄酒らしさ、かぐわしさが炸裂している。が、炸裂しているなかでコーヒー牛乳のような柔らかさ、舌ざわりがある。ブルゴーニュ以外でいえばボルドー赤のワインでミルキーと比喩する時のような。落ち着きがある、とも言えるかもしれない。この、コーヒー牛乳のような感覚がジュヴレ・シャンベルタンにありがちなテナーのような低音の響きだと言われたら、そうかもしれない。少なくとも共通点があるって言われたら反論できない気がする。あと、舌ざわりの柔らかさはなかなかに捨てがたい。これが好みのブルゴーニュかと言われると疑問がなくはないけれど、品質の確かさの一部なのは認めざるを得ない。
 
※二日目は、もうちょっとサクランボ風味が強まってキュートな感じになった。おいしくて滋養がある。でも、ジュブレ・シャンベルタンっぽくはない。どちらかというとコート・ド・ボーヌの良品みたいな感じに似ている。総じて付き合いやすいブルゴーニュ赤だし価格に見合った内容だとも思うけれど、この価格の競争相手は無限にあるので定価だったら買わないかも。