北極の葡萄園

呑んだワインをひたすら記録しています。

【2305】Saint Cosme Little Jame's Basket Press Red (N.V.)

 
サンコム リトル ジェームズバスケット プレス レッド
 
このワインは、ローヌの作り手、サンコムが作っている廉価版のローヌ赤ワインで、ヴィンテージの記載もない。けれどもこれが意外に旨いことは過去に実証済みで久しぶりに飲みたくなったので用意した。
 
グラスに注ぐと赤茶けた感じの濃くて黒っぽい、透明度の低い赤ワイン。若いはずなのに茶色っぽい色調なのが特徴的だ。香りは、お線香のような紫系の香りとハムを連想させる香りが二段重ね(それらはなんだかちょっと遊離している)のが特徴。嫌いな香りではなく、ハムがまた、このワインにたくさん使われているだろうグルナッシュを連想させる。
 
口に運ぶと、口当たりは柔らかで、じゅくじゅくの果実味が結構ビターな風味とともに来る。ビターさは、コーヒーに譬えるよりエスプレッソに譬えたほうがいいぐらいにビターだ。甘い、とはさほど感じないけれどもワインに重量を感じるので糖度は案外と高い予感がする。少し飲み慣れると、より線香然とした、格上のコート・デュ・ローヌや少し値段の高いガルナッチャ(注:スペイン産のグルナッシュ)のような雰囲気になって、なかなか良い。このワインはもう少し甘きに流れて、うまいけど集中力不足みたいな印象があったけれど、今回は高いところでまとまっていて良い。まろやかな口当たりに慣れてくるうちに、口にはりつくタンニンが少し気になるようになってきた。でも、これぐらいのほうが食べ物とは上手に付き合ってくれる。
 
※翌日のほうが飲みやすい。ただ、ローヌ然としたたたずまいからは少し後退。