北極の葡萄園

呑んだワインをひたすら記録しています。

【2367】Domaine Gille Nuits-Saint-Georges 1er Cru Les Cailles 2017

 
ドメーヌ・ジル コルトン レ・ルナルド 2017
※リンク先はニュイ・サンジョルジュ一級ではなく、コルトン特級です。
 
このワインは、ドメーヌ・ジルという聞いたこともない作り手のニュイ・サンジョルジュ一級カイユ。カイユそのものはとても良い一級畑だけど、なにしろこのワインはその格付けに比べて低価格だった。ただ、プラス材料もあって、それはヴィンテージ。2017は正直そんなに良いヴィンテージではなさそうだけど、それだけに、早飲みには向いていると想像する。でもって今回、やってみることにした。
 
コルクを抜くと、裏側はカシス色にきれいに染まっていて、いい香りがする。で、肝心のグラスに目を向けると、黒々と濃いワインレッド。もちろん濃いとはいってもピノ・ノワールのなかでは濃いって水準で墨みたいな感じじゃない。香りは……うわぁ、口元が思わずにやつくような、チョコレートと黒系果実の香りが融合した、まったくもって立派なやつがドーンと来た。ちょっとスパイシーで、憂いを帯びていて、鼻腔に深く吸い込むとチョコでせきこみそうになるほど。いやあ、いいワインじゃないですか。
  
口に運んでみると、ちょっと水っぽい?いやいや、でも口のなかはたちまちタンニンとカフェオレとチョコレートとサクランボでいっぱいになった。口に含むと黒系果実とサクランボが鼻腔に抜けていく感が強まる。後味も……悪くはない。タンニン由来なのか、ざらっとした舌ざわりが酸味と共に残る。これ、ちゃんとニュイ・サンジョルジュしていると思う。やるじゃないか。
 
肉料理やパンにあわせるとそれなり和み、さらに米ぬか系の香り、キノコ系の香りが高まってきてとても良い。ちょっと妖艶なオリエンタル風味も混じって高級ワインに期待したいものがちゃんとある。感心せずにいられなかった。
 
※翌日。チョコレートの香り、黒系果実の香りが猛烈に深くなり、香料の気配も色濃くなってきた。こうなると、イタリアワインでいう「瞑想用ワイン」といった趣に。ニュイ・サンジョルジュの一級として全く恥ずかしくない出来栄えで、ますます盛ん。無名な作り手だけど、再戦の機会があったら是非とも、と思う。