北極の葡萄園

呑んだワインをひたすら記録しています。

【2498】Domaine Thierry Mothe Chablis 2020

 
ドメーヌ ティエリー モット シャブリ 現行
 
まず見た目。グラスに注ぐとちょっと麦わら色っぽく、意外に濃いなと思う。一方、密閉容器に移したほうが僅かに緑色がかっている気がしなくもない。が、グラスの見た目からいって麦わら色系統のほうが強い色合いなのだろう。香りは米ぬかレモネード! シャブリって感じがしていいですね。メロンもちょっとあり、石っぽい香りも伴う。メロンはなくていいけど、2020年は暑い年だし、仕方ないんじゃなかろうか。
 
口に運ぶと、コテコテに果実味が来るでなく、透明感のある滑りだし。酸味が中心かな。いや、でも酸味もあんまり強くない。相対的に強いのは石、または石灰岩。エトナ・ビアンコのカリカンテ種に期待されるような酸味かつミネラリーなワインとして体験される。でも、このワイン、その酸味がちょっと弱く、水っぽさがある。酸味が石や石灰岩のニュアンスに負けて、ときどきシャブリにありがちな(そしてシャブリ一級には特にありそうな)骨太さに果実味が負けてしまったワインになっている。でも、これで酸味が強ければ特級でも一級でもないシャブリとしては結構いけている品になるんじゃないか? 2020という暑いヴィンテージでこれなら、2021のような寒いヴィンテージではどうなるのか確かめてみたい。そんなワインだった。
 
※ただ、温度が上がってくるとこのワインも樽香がちょっと鼻につく。技術的にはそこまで優れていないのかもしれない。でも翌日も石や石灰岩のニュアンスが健在で良いように感じられた。この石や石灰岩の先行する感じは良い白ワインにあって欲しいものであり、シャブリのアドバンテージでもあるだろうから、このワインはそこをクリアしていることになる。