北極の葡萄園

呑んだワインをひたすら記録しています。

【2514】Domaine Machard de Gramont Savigny-les-Beaune 1er Cru Aux Guettes 2019

 
【マシャール・ド・グラモン】サヴィニ・レ・ボーヌ・1er・オー・ゲット[2020]
※リンク先はヴィンテージが異なります
 
このワインは、名前ぐらいは聴いたことがあるけど買ったことのない作り手の、サヴィニ・レ・ボーヌ一級。で、このワインは「ブルゴーニュ赤が床下の準ー保存環境下でひと夏を過ごした時にどうなるのか」を確認するために埋められた人柱だったりする。2019は暑めのヴィンテージだったと思うので、少しぐらい痛んでもまあ飲めるんじゃないか。さてどうでしょうか。
 
色合いは、いまどきのブルゴーニュ赤らしい、まあまあ暗い、そして赤茶色っぽい色調。グラスのへりまで色が明瞭なので、くたくたになっているわけではなさそう。香りは、イチゴとチョコレートの間に揮発臭がビブラートっぽく混じっている感じで香りだけで楽しくてしようがない。あんこみたいな風味、化粧品、石と土の間みたいな香りまでするから上等だ。
 
口に運んでみると、なだらかー、なで肩なワイン。イチゴの甘酸っぱさがいっぱいに炸裂してフレッシュさがある。後味はあっさりしていて酸もやわらかく、あんこ、石と土の間みたいな風味が味覚のほうにもせり出している感じだ。タンニンがばさばさしているのか、このワインが粉っぽいのか、ブルゴーニュ赤にしてはざらざらとした印象を受ける。香り吟醸なのは間違いないけど、味はちょっと平凡で、飴細工みたいな香りを伴うとはいえ、アセロラ風味。平凡ったって一般的に考えるなら十分美味い水準だけど、香りのポリフォニー的豊かさに比べればおとなしい飲み心地だ。
 
※翌日になると、石と土みたいな風味はあったものの、フレッシュさが後退し、なにより香りのポリフォニー性が大幅に減退してしまった。初日のうちにたっぷり飲んでおくべきワインだった。こういう点では、やっぱり安かろう悪かろう……とは言わないまでも、一流ドメーヌには及ばない感じはある。