北極の葡萄園

呑んだワインをひたすら記録しています。

【2522】Chandon Brut (N.V.)

 
シャンドン ブリュット NV
 
これは、モエ・エ・シャンドンがオーストラリアで大量生産しているスパークリングワイン。でも、これがシャンパンにけっこう似せてあっていいんだよね。同社のモエ・エ・シャンドンそのものやドンペリニヨンが値上がりしている昨今、特別でもない日に飲むならこれぐらいが現実的でしょう。
 
シャンパングラスに注いだその姿はまず普通の小麦色、泡は豊かで水面が真っ白な泡の毛布に包まれている。香りは、ほんのり生姜が香っているような? いやそんなバカな。熱心に確認するとあまりにおわないからちょっとわからない。わからないまま口をつけてみると、青りんごの酸味が爽やかで甘味と苦みもしっかりとした、輪郭のしっかりしたスパークリングワインだ。このワインをシャンパン互換性という視点で眺めるなら、へたな安物シャンパンよりもバランスの良いシャンパン互換スパークリングワインじゃないだろうか。安物シャンパンは、これより苦みが強かったり石灰岩っぽい風味が強かったりすることはしばしばあるけど、バランスはだいたいぶきっちょだ。人と一緒に飲む場合には、このシャンドン・ブリュットのほうが危なげがないように思う。
 
飲み進めるにつれ、青りんごが生オレンジみたいな風味に変わっていくのも良い。うんうん、やっぱり旨いよここのスパークリングワインは。シャンパンの高騰ぶりを考えると、シャンパンを掘りたいとかわかりたいというのでない限り、本当はこれぐらいで十分なのだと思う。つまりワインマニアでないなら、この品でほとんど全部の用途が間に合うってことだ。ワインに凝るのでなく、プラグマティックにコスパの良い泡を求めるのなら、この品をまとめ買いするのが良いと思う。