北極の葡萄園

呑んだワインをひたすら記録しています。

【2527】Domaine des Accoles "Le Rendez-vous des Acolytes" 2020

 
ドメーヌ・デ・ザコル ル・ランデヴー デ・ザコリット [2020]
 
このワインは、値上がり傾向にあるローヌの新興、ザコルの品。このフランス語で「ランデヴー」と発音する品はラベルにグルナッシュ100%とあり、グルナッシュが好きな者として楽しみな品。ちなみにこの品とはなぜか今までに対峙成績がなかった。どんな品だろう?
 
ブルゴーニュグラスへ。赤茶色で不透明、グルナッシュとしておかしくない。そんなにおかしな印象は受けない。香りは、く、くさいー! 石油製品のにおいがぷんぷんする。これはあれだ、マジックインキやマッキーのにおいだ! なんという揮発臭、なんという鼻息。
 
口に運んでみると、すさまじい果実味、とにかく濃厚、ジャムが口のなかに流れ込んでくるみたいだ。でもってそのジャムの上空には例のマジックインキのにおいがもわぁ……っと充満している。タンニンは意外にやさしく、苦みもそんなに目立たない。現段階では、とにかく石油製品&果実の濃さに圧倒される。じゃあ、フルーツじゃぶじゃぶワインなのかといったら。噛みしめると果実味のなかからもう一枚果実味が出てくるような性質があって、そこまで単純でもない。その果実味のなかから出てる果実味は、ときにチューインガムのようで、ときに出し汁のようだ。とはいえ、今までに出会ったザコルの赤ワインたちに比べると、パワー系という印象は受ける。
 
そこから鉄のような雰囲気、おはぎのような雰囲気にも変わってきて、なかなか面白い。風味の多彩さこそワインの良さとみる場合、このワインはちゃんと色んな表情を兼ね備えている。
 
※翌日。穏やかな飲み物に変わった! 表現がやや弱くなったかもだけど、穏健でまろやかで飲んでいて居心地の良い、毛布のようなワインになった。とにかく美味く、とにかく気持ち良く飲める。香水みたいな風味は二日目のほうが顕著。この二日目の顔のほうが好み。ということは、このワイン、ヴィンテージから5~8年ほど寝かせてから飲むとめちゃくちゃ美味いんじゃないか? そういう想像をしたくなる。デキャンタしてみるって手もあるかもしれない。