北極の葡萄園

呑んだワインをひたすら記録しています。

【1834】Henri Giraud Hommage (N.V.)

 
アンリ・ジロー オマージュ
 
 このワインはアンリ・ジローが手掛ける特級畑だけでつくられた品。でもって、品種(セパージュ)が面白くてシャルドネ30%ピノ系70%という、赤みがかった品ではないかと想像されるもの。香りには米ぬかっぽさがぶわっと舞い上がって、どちらかといえば酸味のたったシャンパンじゃないかと連想したくなる。
 
 ところが、実際に飲んでみるとリンゴフレーバーがさく裂。すごくフルーティーではつらつとしている。漬物っぽさで陰気にこもるというよりは、シャンパンにしては陽気、華やかな雰囲気。引っかかるところがなく、すいすいと飲める。このワインはピノ・ノワール種とピノ・ムニエ種が主体とのことで、そのせいかとてもフルーティーでリッチな感じがする。米糠がメレンゲっぽい香りに変わることも。さすがに立派なシャンパーニュ
 

【1833】Asconi Estate Vineyards Grand Reserve Cabernet Sauvignon 2012

 
2012 グランド リザーヴ カベルネ ソーヴィニヨン アスコーニ モルドバ
 
 このワインは、ヴェリタスが仕入れているモルドバワインのひとつ。ここの格安メルローは飲んだことがあり、お値段に見合った内容だったけれども、じゃあカベルネソーヴィニオンはどうなのか。で、幾つか見てみると2009年の「リザーヴ」が1300円台、2012年の「グランド リザーヴ」が1200円台となっている。今回飲んだのは後者のほう。
 
 まず見た目。色は赤茶色がかっていて不透明。前回の2009年のものよりも茶色っぽさが濃いようにみえる。香りは、今回はまるでブランデーのよう。ポートワインを連想させるところもある。少し煙突系の香りもしなくもないけれど、ここからカベルネソーヴィニオンという品種を当てるのは難しそう。
 
 口をつけてみると、うっやっぱりポートワインっぽいぞ、すんごいアルコール、ちょっとブランデーっぽい酒精感がある。よくよく味わってみればカベルネだという感覚はある(たとえばミルキーさを帯び、舌の上に平べったく感じられ、落ち着いた雰囲気の果実味とか)けれども、それにしたって。意表を突かれる方向性の頑張り方ながら、まあおいしくいただけました。

【1832】Asconi Estate Vineyards Asconi Reserve Cabernet Sauvignon 2009

 
2009 リザーヴ カベルネ ソーヴィニヨン 750mlアスコーニ アスコニ モルドバ
 
 このワインは、ヴェリタスが仕入れているモルドバワインのひとつ。ここの格安メルローは飲んだことがあり、お値段に見合った内容だったけれども、じゃあカベルネソーヴィニオンはどうなのか。で、幾つか見てみると2009年の「リザーヴ」が1300円台、2012年の「グランド リザーヴ」が1200円台となっている。せっかくなので、両者を買って順番に飲み比べてみることとした。まず、こちらが先手。
 
 グラスに注いでみると赤茶色で真っ黒に濁った液体。かなり透明度が低い。香りは、ほんわりとカベルネ風の少し木の匂いの混じった甘い香りがにおってくる。少しチョコっぽいかもしれないけれども、あまりはっきりとした香りではない。
 
 口に含んでみると、これが意外にコーヒーっぽい風味がある。コクがあるけれども、コーヒーに寄っていて、自分の知っているワインだとイタリア南部のネグロ・アマーロみたいな雰囲気。土というか野良というか、とにかくなんとなく田舎めいたフレーバーがあって、同じ土でもブルゴーニュの名門がつくる赤ワインにあるような偉そうな土っぽさではなく、もっとほんわりとした(いや、野良っぽい)土っぽさが漂う。ボルドー安ワイン系に比べると果実味がしっかりしていてタンニンもふっさふさしていてコーヒーのような風味がそこにも宿っている。とにかく、後味にもコーヒー、いやコーヒー牛乳か? 嫌いな人は嫌いかもだけど、これはこれで特徴があって悪くないのでは。
 
 ※翌日になると、果実味がしっかりと現れるようになってきて、コーヒーっぽいキツさがちょうどよい具合になってきた。それでも割と大柄なワインで、トータルとしては二日目のほうがバランス良いと思う。少しユニークな点も含めて、これは買ってみてもいい品だと思う。典型的なカベルネソーヴィニヨンではないとしても、面白いワインだった。
 
 

【1831】Joseph Faivley Bourgogne Pinot Noir 2015 (ハーフボトル)

 
フェブレ ブルゴーニュ ピノノワール [2015]/[2016]
 ※リンク先は現行ヴィンテージの模様です
 
 このワインは、ブルゴーニュの大手のなかでは赤ワインが標準的だと感じているジョセフ・フェヴレの平格ブルゴーニュ。だけど今回はこのワインを単体で楽しむためでなく、アルマン・ルソーのシャルム・シャンベルタンの比較対象としての登場。ちょっとかわいそうだけど標準ブルゴーニュとしてはぴったりなので登板。
 
 まず見た目はワインレッドとしては明るい、しかしピノ・ノワールとしてはそれほどでもない色彩。アルマン・ルソーのシャルムシャンベルタンと並べると少し青紫がかったカラースペクトルをしている。香りは、残念ながらあまりふるわない。少し革製品のようなやつが来る程度、香りが弱いと感じる。
  
 味を確かめると、酸味の強い、酸っぱさ+革製品。渋みはこの品種としては標準的、やや重たいところはあるけれども概ね飲みやすいワイン。ところが、アルマン・ルソーのほうを口にすると、なんと、こちらが重たいと感じる。ワインの格は明らかにあちらのほうが上なのに、こちらのほうが重いというのはちょっと異常な感じがする。これは、このワインがいけないのでなく、あちらが異様に優れているのだろう。ありがとう、普段はもっと普通に飲みます。
 

【1830】Domaine Armand Rousseau Charmes Chambertin 2013

アルマン・ルソー シャペル・シャンベルタン 2015
 ※リンク先はヴィンテージが異なります
 
 今回、ブルゴーニュの赤ワインの粋を確かめてみようという気持ちができあがって、しばらく考えて選んだのがこのワイン。こいつだってもう5~10年寝かせてやったほうが望ましいのだろうけれど、どうしようもない堅物の面々に比べればシャルムシャンベルタンはready to drinkだろう。14時のうちに抜栓してもらい、夕方から飲む体制で挑んだ。
  
 まず見た目。ある程度茶色っぽい、中庸なピノ・ノワールの色。若い、という感じではなくごく普通のような。香りは、初手はとにかくあまーい果実の香り。赤系、黒系、それから干し柿みたいな果実味を帯びていてすごみがある。
 
 口に含むと、びっくりするほど柔らか&あまーい果実味が!なんだこれ甘口かよ?!と勘違いするような、人をたぶらかすチャーミングな味がどっと来た。タンニンのはしばしにまで甘味がしみ込んでいて、「ぶどうの皮をかんだときのような、甘味とタンニンが溶け合っているところ」が驚きで、えぐみらしきものが乏しい。甘味に粘りがあるのも、超高級ピノ・ノワールという感じがあってつきづきしい。でもって、香りが桐箱の様相を強めたり、梅っぽさがきわまってきたり。いやはや、さすがの横綱相撲。楽しい、アガる、素晴らしいワインでございます。
 

 ※二日目は深い果実味がやや落ち着いて少しビーフジャーキーっぽくなった。あけてから4時間ぐらいの頃が最も華やかだった。

【1829】Chateau La Platus Bordeaux 2016

 
item.rakuten.co.jp

 
 このワインも安い価格帯のボルドー。まず、黒々とした赤茶色の液体。それはいいんだけど香りはあまりはっきりとは匂ってこない。
 
 口をつけると、意外にひとなつこい、ちょっと飴っぽさを伴った果実味に心をうばわれた。ボルドーにありがちな、煙突掃除っぽい感じはあまり無い。とはいえ、あまり激しい感じのワインではない。果実味がいくらか強い点がこのワインの特徴だけど、もちろん果実味という点では新世界のワインに伍するものではない。
 
 ※二日目になって、もう少し果実味がじっくりしてきて、と同時に飲み心地に落ち着いた趣が宿るようになった。ボルドー安ワインにしてはまだ果実味優位なワインだけど、それでも飲み心地が落ち着いてきたのは良い雰囲気。こっちのほうがいい。