北極の葡萄園

呑んだワインをひたすら記録しています。

【2027】Frederic Cossard Beaune Les Bressandes 2013

フレデリック・コサール ボーヌ レ・ブレッサンド 白 2017
※リンク先はヴィンテージが異なります
 
続いて、同じくフレデリック・コサールの、同じ村名格の2013を垂直で飲んでみることに。
 
見た目はあまり変わらない。ただ、比較するとこちらのほうがリンゴの香りがはっきり強くてスッとしている。2012にあった、菓子パンのようなウインクはこのワインには伴っていない。 口に運ぶと、わずかにびりっとした炭酸めいた口当たりがあった。「2012はシャサーニュモンラッシェ風で2013はシャブリ風」という比喩も聞こえてきたけど、なるほどそうかもしれない。2013のコート・ド・ボーヌは弱ヴィンテージという印象を持っているけど、この垂直試飲では印象どおりかなと思った。
 

【2026】Frederic Cossard Beaune Les Bressandes 2012

フレデリック・コサール ボーヌ レ・ブレッサンド 白 2017
※リンク先はヴィンテージが異なります
 
古酒シャンパンをいただいた後、たちまち出てきたのは、フレデリック・コサールが作るボーヌ(村名格)の白。ボーヌの白ワインを飲むのは……なんとボーヌの酒場でグラスでいただいた一度きり。正直、どんな白ワインなのか見当もつかない。
 
見た目はレモン色のシャルドネで、あまり重たいつくりではなさそうな雰囲気。マコンとか、あのあたりの見た目に近い。香りを確認すると、ふっくらとした菓子パンのような香り。そこに花畑の蜜みたいなフレグランスな香りが伴っていて、すがすがしい系のブルゴーニュシャルドネの予感がある。
 
口に運んでみると、酸味がしっかり、ごてごて蜜系でなく、軽々としたところでバランスがとれている。爽やかさがあり、それでいて菓子パンのような香りというか、ウインクを欠かさないところがある。前菜のパテともよく合っていた。

【2025】Alain Thienot Champagne(N.V.)

 

 
 今日は、ワイン会と言って良いような飲み会にお邪魔して、学びのひととき。
人が集まってワイン談義をするのはすっかり久しぶりになってしまった。このワインログは、しばらくの間、この集まりの時の稽古相手で更新する予定(で、ブログのなかのひとはワインを少しお休みの予定)。
 
 このワインの造り手は他界しているらしく、今は関係者がシャンパンを作っているだけ。で、このボトルはいったいどれぐらい古いのか見当がつかないと。
 
 グラスに注がれた色合いはまさにオレンジ。うっすらと枇杷のような色合いで、泡は目ではとらえられない。香りは……あんまりわからないや。
 
 口をつけると、初手ではシェリーっぽい、古いワインのきつい感じが来た。炭酸は微炭酸で気持ち良いけれども、シェリー一色だったら残念だな、前菜のお供に徹してもらおうかと思っていたら、しばらくして、シャンパンらしい苦みと酸味が存外しっかりしていることがわかってきた。歳を取っているのは確かだけど、シャンパンの外観はちゃんと保たれている。もう少し味を確かめてみたいなぁと思った時点で飲み終わってしまった。あと一杯ぐらい飲んだら、印象はまた変わったかもしれない。
 

【2024】Montigolo Amarone della Valpolicella 2016

 
アマローネ・デッラ・ヴァルポリチェッラ モンティゴーリ 2016 カンティーナ・ヴァルポリチェッラ・ネグラール
 
 北イタリアはヴェネト州の赤ワインのなかでは、アマローネはお気に入りのもののひとつ。今回、2700円を切ったアマローネを楽天のトスカニーさんが商っているのを発見、半信半疑で買ってみた。アマローネの下位互換ともいうべき「リパッソ」というカテゴリなら2000円台でもおかしくないわけで、このワインが「リパッソ」並みの出来栄えでも文句はあまり言えまい。そういう気持ちでの抜栓。
 
 まず見た目は真っ黒&赤茶色の、とても濃そうな外観。香りは、高級チョコレートみたいなトーンの高い香りがあって、梅系のフルーツフレーバーもかなり強い。少し、ベーコンや肉っぽいフレーバーまで伴っている。うんうん、頑張っているじゃないか。
 
 口に運ぶと、うわー酸っぱい!口をすぼめたくなる酸味がギュワーっと来る。アマローネにありがちな甘味と苦みは健在で、口当たりがザラザラ。それでいて、梅系の酸味が口の真ん中をするすると降りていく。酸味やざらつきのために、アマローネとしてはずいぶん粗い飲み心地ではあるけれども、アマローネらしさはあり、後半になると果実味がどんどん強くなっていく。悪くない、意外にいい仕事をしている、少し粗い感じは値段相応だけど、そのほかはちゃんとアマローネ。
 
 ※翌日は、果実味がいよいよ強まり、鉄っぽい力強い雰囲気をまとってきて雰囲気が良い。肉料理ともよく付き合ってくれている。やっぱり洗練された雰囲気には遠いけれども、それを補ってあまりある。かといって、新世界の国際品種(カベルネメルローやシラーなど)とも全く違ったワインになっていて、チョコと梅系フレーバーがなんともたくましい。頼れるワインだ。
 

【2023】Domaine Michel Guillard Gevrey Chambertin 1er Cru Les Corbeaux 2012

  
ドメーヌ・ミッシェル・ギーヤール ジュヴレ・シャンベルタン プルミエ クリュ レ コルボー [2012]
 
このワインは、村名格、それも量産区画として評判の悪い国道の向こう側でつくられている村名格が結構おいしかった小さなドメーヌのフラグシップワイン。フラグシップが一級という、それぐらい小さなドメーヌではあるんだけど、フラグシップには違いないので楽しみにしてよう。ヴィンテージは2012年、正直、あんまり信頼していない年ではある。
 
 グラスに注いでみると、かなり黒々とした、暗いワインレッド。ピノ・ノワールとは思いにくい、なんだかカベルネメルローでも開けたんじゃないかというような。
 
 香りはつーんとアルコール臭がした後に、チョコレートっぽい甘い香りがゆったりとこみあげてくる。あとバタークッキー、それとイタリアの博物館、いや大理石+漆喰系というか、なかなかいい雰囲気をしている。
 
 口に運んでみると、初手では意外にもサクランボのような甘酸っぱさがこみあげてきた。そこに、バターやコーヒー系のコクがしっかりと伴っていて、味覚のなかでテナーのような役割を果たしている。キュートなサクランボとコクが同居していて、それでいて分裂するでもなく調和がとれている。タンニンは控えめで口当たりはまずまずなめらか。付き合いやすいんだけどパンチ力というか、おなかがふくらみそうなワインに仕上がっている。フルボディ、という言葉がよく似合いそう。飲み進めると、次第に果実味のスケールが大きくなって飲みごたえができきた。これは、このメーカーの村名格よりもはっきりと優れた、一級のアドバンテージ。とても楽しいひとときだった。
 
※二日目もこれらの特徴は健在。香料みたいな神妙な香りもする。ちゃんとジュヴレ・シャンベルタンを飲んでるぞって感覚が得られた。
 

【2022】Rione del Falco Cuvee Bianco (N.V.)

リオーネ デル ファルコ 白 N.V.
 
このワインは、ヴェネト州でつくられたハウスワイン。正直、あまり期待できる筋ではなさそうだけど、魚を蒸すのに使う際に一緒にいただいてみることにした。
 
グラスに注いでみると、麦わら色の薄い色合い。香りは……あまり感じない。口をつけると、八朔のような薄いシトラス系の酸味がほんのり。変なクセがあるでなく、スイスイと飲めるタイプ。イタリア料理屋のハウスワインはこういうのでいいんだよ、と言いたくなるやつだ。すごいワインではないけれども料理のお相手としては十分。魚料理との相性?聞くまでもないでしょう。