北極の葡萄園

呑んだワインをひたすら記録しています。

【1919】Roncaie sui Liviti Menti 2017

 
ロンカイエ スイ リエーヴィティ 2017 メンティ
 
 このワインは、イタリア北東部、ヴェネト州ソアーヴェ地区の「隣」でつくられている変わり者ワイン。品種は本来ソアーヴェをつくるのに使用するガルガネガだけど、購入時は白濁してオレンジ白色のすごい色をしていて、コルクではなく王冠で栓がしてある。もう、普通のワインでないのは明白なので楽しみに飲んでみることにした。
 
 まず見た目。グラスに注いでみると意外に不透明というか、わずかに濁りが混じっている。上澄みを注いだつもりでも、発泡現象が始まって濁りが入り始めたのか。泡はフリツァンテだけあってコモコモと控えめに立ちのぼる。色合いはややオレンジ色がかった黄金色。カンテのエクストロなどに比べれば、それでも山吹色に近くはある。
 
 香りは、現代の製法でつくられたグレープキャンディみたいな、甘くてちょっと油脂っぽい、それでいてぶどうっぽさのほんのり漂うそんな感じの匂いがする。まあ普通のガルガネガ(ソアーヴェ系)とは別物ですね。漬け物っぽさもこみ上げてくる。オーガニック!
 
 ところが口に運ぶと意外に爽やか。こちらはガルガネガらしさ全開、ただしフリザンテだからかオーガニックだからか、普通のガルガネガ系に比べると後味の酸味がものすごく強くて、この酸味の余韻がなかなか長く、泡であることもあってシードルを連想する。それでいてワインらしさ、特に発酵バキバキしたワイン然としていてなかなか面白い飲み物になっている。二杯目を注ぐ頃には、発泡によってボトルのなかが不透明かつ濃い色彩になってきて、まるで「腐ったジュースの瓶詰め」みたいな雰囲気に。漬け物にビャクダンのようなオリエンタルなお香の香りも付け加わり、ますます面白くなってきた。これ、値段を考えたら楽しいワインなんじゃなかろうか。