北極の葡萄園

呑んだワインをひたすら記録しています。

【2209】La Pousse d'Or Volnay 1er Cru En Caillerets 2015

 
プス・ドール エン カイユレ 2017
※リンク先はヴィンテージが異なります
 
このワインは、お世辞にも上手な作り手とはいえないプス・ドールが作っている、ヴォルネ一級カイユレ。このワインは、ヴィンテージが良くても悪くても熟成させてダメだったので、今回、逆に早飲みに割り当ててみることにした。2015はまあまあいいヴィンテージだったと思うけれども、果たしてどうだろう。
 
グラスに注ぐと、なんかものすごく濃い。そしてピノ・ノワールなのに青紫色。不透明、液面に泡ができて泡だっている。不透明なのは、ワインを直前まで横倒しにしていたからだろう。 香りは、梅系お線香の香りがぶわーっと凄い勢いで来て、活きが良いのだけは間違いない。雨の日の森みたいな香りもかなり強い。
 
口に含むと、ざらっとしたタンニンが舌の上をざらつかせる。でもって果実味は爆発するようだ。ヴォルネならではの軽さは、ここではよくわからない。果実味がたっぷりで森っぽくもあるから悪い気持ちにはならない。うまいっちゃうまい。でもこれ本当にヴォルネカイユレなの? ……いやしかし、このザラザラを除けば軽さが伴っているし……おお……やっぱり果実味の内側に空洞があるような気がしてきた。プス・ドールのワインの欠点、果実味の内側の空洞だ。しかしへたに熟成させてないぶん果実味に新鮮さが乗っていて、森の下草のような香りがしっかりしていて果実味の内側の空洞をかなりのところまでカバーしている。プス・ドールのヴォルネは早飲みがgoodなのか。他の畑はともかく、ヴォルネ一級カイユレは早飲みでいこう。
 
※翌日は、やや香りが弱くなり、米ぬかフレーバー、またはミネラリーな側面が露わになった。この展開は、プス・ドールのカイユレとしてはいつもの路線なので驚きはしない。翌日も果実味の内側の空洞はかなりカバーされていて、気にせずに飲めた。ということはプス・ドールは早飲み上等とみるべきか? まあ、「買わない」が一番手堅いのだろうけど、ここほど安くカイユレの移り変わりを経時的観測できるメーカーはないのでどうしたものか。