北極の葡萄園

呑んだワインをひたすら記録しています。

【0236】Antoine Chatelet Meursault Premier Cru Poruzot 2002

 
ムルソー プルミエ・クリュ ポリュゾ アントワーヌ・シャトレ[2002]

ムルソーの白ワインには先日初遭遇したけど、必ずしもスゴいという感じではなかった。今回、それとあまり変わらない価格でムルソーの一級畑をゲットすることが出来たので、対決してみることと相成った。
 
 グラスに注ぐと、うひゃー山吹色というよりオレンジ色に近い色。グラヴナーのワインほどではないけど、ちょっとこれは逝ってるんじゃないの?という不安げな感じ。ところが匂いを嗅ぐと物凄い。アンズと干し葡萄とチーズのような。ちょっとだけスパイシーな成分も混じっているように感じられる。生きてるのかもしれない。
 
 期待と不安を胸に口をつけると、まず、なんか物凄くトロトロとした、フワワワーッとチーズ(柔らかくて、ちょっと腐りかけのような)が口の中に膨らむような。その後を酸味が追いかけてくる。二口目以降、それなりに酸味が前に出てきているけれども、呑んでる時も休んでいる時も、フンワリした味覚のアーチみたいなものが上顎につきまとっていて凄い。鼻でも口でもフンワリフワフワとした感じが組み合わさって、なんとも表現のできない匂い。そのくせ意外とすっきりとした呑み心地で、喉ごしはよかったりする。最初はそのギャップが違和感だったけど、呑んでいるうちに納得というか、むしろこれはこれで気持ちよく呑むにはいいんじゃないかと感じ始めてきた。
 
 そうこうしているうちに、胡椒のかかったアーモンドのような匂い、蜂蜜の匂いがグラスを覆うようになり、非常に立派で神妙な様子になってきた。味もすごく美味い。これ、かなり凄いかも。ネットでざっと検索したところでは、この作り手さんの評判はあまり良くないっぽいように見たけど、少なくとも今回のボトルは素晴らしいと感じた。2002年効果かもしれないにせよ。
 
 ※ちなみに、色んな温度で呑んだところ、このワインはちょっとでも冷えると匂いがすぐに駄目になってしまうようだった。シャンパンバケツから出して暫く置くと抜群の匂いに、シャンパンバケツに入れて暫く経つと全然駄目な感覚に。呑む温度によって味が変わることを痛感させてくれた。