北極の葡萄園

呑んだワインをひたすら記録しています。

【2188】Maison Dominique Laurent Bourgogne Cuvee Numero 1 2017

ブルゴーニュ キュヴェ ヌメロ(ニュメロ)1(アン)2017年 ドミニク ローラン
 
このワインは、マルサネ村のワインとコート・ド・ニュイの村名キュヴェを80%ほどブレンドしたと書かれている。作り手はドミニク・ローラン、すごく好きでも苦手でもない作り手。
 
グラスに注いでみると、少し赤茶色がかった、濃すぎず薄すぎずなピノ・ノワール色。特記すべきことなし。香りは、意外にも香料系の香り(たとえばこのときのフレデリック・コサールのポマールから発せられたような)がただよってくる。生意気だ! ただそれだけでなく、少し革っぽさが伴っているし葡萄酒然としたフルーツの香りも混じっている。
 
口をつけてみると、香料系の香りとともに苦みも伴う。が、許容範囲で果実味がどっさりしている。おなかが減っていたのでグリルチキンやトマトスープとたちまち一緒に飲むようになったけど、このワイン、単体では美味いのだけど料理に勝ってしまっているきらいがある。どうも苦みと果実味が料理を圧している模様(酸は適度でいい)。これは平格、ブルゴーニュルージュなのだから、高級フレンチでなければ伍することができないじゃなく、おうちごはんと付き合ってくれて欲しいなぁと思う。合間に米ぬかっぽいフレーバーが混じったりフルーツが爆発したりして楽しくもあるけれど、単体で楽しんでいる時のほうが落ち着いて付き合える。けっして悪いワインではない、むしろおいしい品なんけれども、ちょっと上を向き過ぎなんじゃないだろうか。あと、このおいしさは平格ブルゴーニュ赤じゃなくてもできそうなおいしさかも。ブラインドテイスティングだと「洗練された作り手のグルナッシュ」とか「日本でつくられたメルローの熟成したやつ」とか答えて恥をかきそうだ。
 
で、食事が終わってワインと一対一になってみると、とたんに例の香料風味がふわーっと前に出てきて体裁が立派になる。やっぱり生意気なワインだ! 果実味も、平格ブルゴーニュとは思えないほど集中力を獲得していく。自分はこういうつくりの平格ブルゴーニュ赤に納得のいかないものを感じますが、「平格ブルゴーニュ赤っぽくない平格ブルゴーニュ赤」を望む人には適したワインだと思う。
 
※翌日は少し酸味が強くなり、飲みやすくなった。それでも果実味がかなり強く、香料風味が残っている。でもって舌ざわりはざらざら。「平格ブルゴーニュ赤っぽくない平格ブルゴーニュ赤」らしさは変わらない。