北極の葡萄園

呑んだワインをひたすら記録しています。

【2341】Feudo Di Santa Tresa Purato Appassimento Organic 2020

 
プラート アパッシメント オーガニック 2020 フェウド ディ サンタテレサ
 
このワインは、最近ちょっと気にしているシチリアのサンタ・テレサという作り手のワイン。これはネロ・ダヴォラ単品ではなく、国際品種も混ぜ、アッパッシメント過程(これってイタリア北部ヴェネト州のアマローネに使われる技法、ですよね?)で濃くしてまであるという。非アマローネのアパッシメントは失敗するとなんだかひどいけれど、うまくいくと独特の面白いワインになるのでやってみたくはある。
 
まず見た目。濃い、だけでなく透明度が低い。ブルゴーニュグラスに浅く注いだだけでも、かなり濁ってみえている。香りは、梅系お線香に水あめみたいなあまーい香りを伴っていて、アパッシメントっぽさがある。
 
口に運ぶと、淡く甘い飲み物でなんだこりゃ?と首をかしげる。甘いは甘いでも、まるで子供用の水薬を希釈したみたいな感じだ。こんなのでアパッシメント、なの? ただし、後味に長く残る渋みを伴った酸味からは濃縮の気配が感じられる。確認するように再度飲んでも同じ印象、後味にだけアパッシメント過程の雰囲気が感じられる。他方、このワインの品種であるネロ・ダヴォラとして考えると、冒頭の水薬っぽい甘みは確かに異質で、ここもアパッシメント過程の産物なのかもしれない。まずくはないけど風変りなワインではある。人によってはこういうのがお好みの場合もあるかもしれない。
 
※翌日は初日よりも梅っぽさが前に出るようになり、もとの品種の雰囲気に近づいた。結局こっちのほうが自分には飲みやすい。昨日の様子はネロ・ダヴォラとしてはあまりにも異質だった。